昨年7月に前インターン生から始まったバイヨン中学校での「食事と栄養」の授業。
今回は1年生を対象に、講義を行いました!
前回に引き続き
「朝ごはんを食べる大切さ」
「栄養のお話」
そして今回はさらに、
「食品添加物」についても、お話しました。
授業ではまず初めに、どれくらいの生徒が朝ごはんを食べてきたかを確かめるために、
「今日起きてから朝の10時までの間で、何かご飯を食べましたか?」
と聞いてみました。
すると、ほとんどの生徒が元気よく手を挙げてくれました!
逆に食べてこなかった人を聞くと、5人ほど手が挙がりました。
でも、彼らも毎日食べないわけではなく、食べる日と食べない日があるとのことです。
夜寝ている間に脳のエネルギー源であるブドウ糖は脳の外に出て行ってしまうので、
もし、朝ごはんを食べなければ、脳がエネルギー不足のままになって、
眠くなったり、授業に集中できなくなってしまう、
だからできるだけ朝ごはんを食べるようにしましょう、と伝えました。
次に、具体的にどんな朝ごはんを食べたのか、何人かの生徒に聞いてみると、
おかゆ、パン、クイテウという麺料理などが主でした。
どれも、カンボジアの朝ごはんの定番料理です!
私もカンボジアに来てから屋台でよく食べています。
このようなごはんや小麦などは、
元気に動いたり、集中して授業を受けるエネルギーのもととなり
「黄色の食べ物」という風に呼ばれています。
あと二つは、骨や血など体を作る源となる肉類牛乳卵などの「赤色の食べ物」と、
お腹の調子を良くしたり、肌をきれいにする、体の調子をよくする野菜や果物などの
「緑の食べ物」です。
赤・黄・緑の食べ物、そう3色食品群!
日本人のみなさんは、
小学校や中学校の時に授業で習ったという方がほとんどではないでしょうか。
そして、このような表を用いて各食べ物がどの色に入るのかを当てるクイズ、
おそらく日本人ならほとんどの方が経験しているのでは!?
一通り、3色食品群について説明し終わった後、
生徒の皆に1枚ずつ食べ物の絵を配って、
それぞれどの色に入るのか、予想してもらいました!
日本でフルーツといえば、葡萄・りんご・苺などですが、
カンボジアでフルーツといえば、
バナナ・パッションフルーツ・竜眼・サトウキビ・ココナッツなど。
なので、食べ物の絵もカンボジア様式に作られています!
みんな前に集まって、どこに入るのか考え中。
ある子が黄色のところに、バナナを貼り付けると
「違うよ!緑だよ!」と、別の子が貼りなおしてくれたり、
熱い議論の場となっていました笑
最終的に出来上がったものは、じゃがいもが緑の野菜に入っていた1つ以外は、
すべて正解でした!
さすが、理解が早いです!拍手!
最後に、大切なのは、この3色の食べ物をバランスよく食べることだ、
という風に伝えました。
すると、通訳のタウリーさんから補足の説明で、あるエピソードを話してくれました。
タウリーさんの親戚のある人は、小さいころから野菜が大嫌いで、
野菜をほとんど食べずに大人になりました。
初めは両親から、野菜をちゃんと食べるようにと言われていましたが、
「野菜を食べるくらいなら、何も食べない!」と駄々をこねるようになり、
親もお手上げになってしまって、結局好きなものだけを与えていたそうです。
すると、大人になったある日、自転車に乗っている最中、
急に意識がなくなってしまって転倒してしまいました。
病院に行って診療してもらうと、栄養不足が原因だったそうです。
このように、ちゃんとご飯を食べていても、栄養が偏ってしまったら、
結局栄養不足になってしまって体調を崩してしまったり、
体がちゃんと成長しないといったことになってしまいます。
生徒たちは、真剣にそのお話を聞いていました。
具体的なエピソードを聴くことで、
より栄養バランスに気を付けることの大切さを理解できたのではないでしょうか。
次に、「食品添加物」についてのお話をしました。
まずは、こちらの写真をご覧ください。
これは実際に私が、オフィスの隣のお店で買った苺ジュースです!
かなりビビッドなピンク色をしています。
味は、かき氷のいちごシロップを希釈して飲んでいるという感じ・・・
ちょっと、健康に悪そうな抵抗を感じずにはいられないような(*_*;)
このような、色鮮やかなジュースは、カンボジアの至る所で売られています。
種類も豊富!
紫はぶどうかと思いきや、タロイモジュースだそうです。
バイヨン中学校でも、よく屋台のおじさんが売りに来ているので、
休み時間や放課後に買って飲んでいる生徒を見かけます。
業では例としてこの色鮮やかなジュースの写真と、
ファンタオレンジの写真を見せました。
「みなさんは、このようなジュースを飲んだことがありますか?」
とそれぞれ聞いてみたところ、両方ともみんな「飲んだことがある!」
と答えてくれました。
次に、
「では、苺の味のジュースは、なぜ苺の味がして、苺のピンクの色をしているのだと思いますか?ファンタオレンジも、なぜオレンジの味がして、オレンジの色をしているのだと思いますか?」
と質問してみました。
4人手を挙げて答えてくれたのですが、
3人は
「果物の実から、色を付けたり味をつけている」
と、答えてくれました。
1人の男の子は
「色を付ける粉のようなものが入っている!」
と、正解を答えてくれました。
「そうなんです!実は、果物は全く入っていなくて、
色を付けるための着色料といわれるものや、香りをつけるための、
香料が入っているんです。」
そのように、食品をより色づけたり香りづけして
美味しそうに見せるために入れるものを食品添加物といい、
ほかにも長持ちさせたり、カビが生えないようにするものや、
栄養を強化するものがあること、などがあるということを説明しました。
そして、よりおいしそうで、より長持ちするほうが、
たくさんの人に買ってもらうために、今はたくさんの食品に含まれていますが、
実は健康被害の危険性も孕んでいることを伝えました。
そして、できるだけ飲み物にはサトウキビジュースやフルーツジュースを選んだり、
お菓子には、果物を食べるなど、自然のものを選ぶように、とアドバイスしました。
生徒たちにとっては、いつも飲んでいる身近な飲み物が、
飲みすぎると健康によくない、と教えられてショッキングだったかもしれないのですが、
食べるものを選択する大切さを、きっと理解してくれたと思います。
今回、授業では
クメール語のパワーポイントを使用したのですが、
スライドが変わるたびに、生徒たちは前のめりになって、
ぶつぶつとそのスライドに書かれた文字を呟きながら、
とても真剣に授業を聞いてくれました!
栄養の話や食品添加物のお話は、
生徒たちにとっては聞いたことのない単語や概念も多かったと思うのですが、
通訳をしてくれたタウリーさんは、かなり食品にたいして敏感で知識も豊富なので、
タウリーさんの身の回りに起きた栄養にまつわる健康被害の具体例などを混ぜながら、
生徒に分かりやすく、補足説明していただきました。
ありがとうございます!
健康で活躍できる大人になるための、第一歩が
食生活を見直すこと。
今回の授業をきっかけに、食事について考え、健康な食生活へ改善に繋がればと思います。
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