こんにちは。インターンの豊田です。
本日はJSTが遺跡紹介ツアーとして提供している「遺跡修復体験」について紹介いたします。今回はインターン生が同行しました関西学院高等部のみなさんのツアーの様子をお届けします。
修復現場に着いた高校生のみなさん。
早速作業開始!ではなく、まずは遺跡修復のステップについて話を聞いて学びます。
遺跡修復には、「現状記録」「解体」「石材の修理」「仮組み作業」などさまざまなステップがあります。その中で高校生のみなさんに体験していただいた作業は、「石材の修理」にあたる石洗いと薬剤の注入の2つです。
最初は女子が石洗い、男子が薬剤の注入を担当し、途中からは役割を交代しながら作業を進めました。
どちらの作業もまずは遺跡修復作業員からお手本を見せてもらいます。
どんな作業をすればいいかわかったところで高校生のみなさんの修復体験もスタートです!
石を洗うチームは大きなブラシや歯ブラシを使って、石に付いた汚れを落としていきます。
薬剤は1滴、1滴、少しずつ入れていくのがポイントとのことなのですが、最初は注射器を使いこなせず一気に薬剤が出てしまうなど「難しい…」という声が聞こえてきました。
しかし時間が経ってからまた様子を見に行くと「少しずつ慣れてきた!」という前向きな言葉を聞くことができました!
薬剤を注入した後は、ハンマーで石を叩いて薬剤を石の下部まで浸透させていきます。
薬剤は時間が経つと石の中で固まり、石の強度が上がります。
しかし外から見ているだけだと石の強度が上がったかわかりません…。
そこで登場するのがドクターハンマーです。
修復作業員の方が手に持っている細いハンマーはドクターハンマーといい、このハンマーで石を叩くと、薬剤が固まって石の強度が上がった場合には高い音がしますが、そうではない場合は鈍い音がします。これで石の強度を確かめながら作業を進めていくそうです。
これには高校生たちも興味津々で、自分の作業中の石を叩いて音を確認していました。
高校生たちはみな、作業に熱中し、終わった後には「楽しかった!」「面白かった!」という感想とともに、「作業を通じて遺跡修復により興味がわいた!」と言っていた生徒もいました。
みなさんもアンコール遺跡を訪れる際は、遺跡見学だけでなく遺跡修復体験をしてみてはいかがでしょうか。きっと忘れられない体験になること間違いなしです!
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