こんにちは!
先日NPOオアシスのみなさんが来られていた時に
運動会運営についてお手伝いしてくださった、
青年海外協力隊員の石崎大(いしさきまさる)さんから、
オアシスとJSTのバイヨン中学校での活動についての感想文が届きました。
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「綺麗、明るい、安心」
初めてバイヨン中学校を目の当たりにした時、私はこの3つに感激しました。
こんな学校がカンボジアに存在するのか?!と。
まず学校の敷地内にゴミが一切見当たらない、教室が電気もないのに明るい、
校舎の作りが頑丈でいつ崩れるかわからない不安になることがない。など
生徒たちが安心して学校生活を送れるすばらしい環境だなとワクワクしました。
私は現在、青年海外協力隊としてタケオ州で
中学校の生徒会活動の活性化を目標に
「生徒が企画運営する運動会」を提案、実施しております。
今回はこのバイヨン中学校でも
来年「運動会」を行うということで、お手伝いをさせていただきました。
この「運動会」に大切なことは、
生徒教員や地域の方々が参加し楽しめることはもちろん
他に、生徒が自分たちで動けるようになる、
生徒教員のやる気や協力体制ができるようになるなどの目標があります。
それらを見てみることにしました。
すると早速、体育の授業では、授業開始前から驚きの連続でした。
すでに道具の準備ができてある、生徒が体操服になっている、
先生も体操服で生徒を並ばせている。
私はタケオ州でこれらの準備が先生主導でできるようになるまで
数々の苦労をしてきたのですが、この学校ではすでにできている。
校内の美しさも同様ですが、校長先生の日々の躾指導が素晴らしい証拠だなと実感しました。
そして、授業中では、障害物競争、リレー、綱引きを行いました。
すると、伝えたことを素直に守ることはもちろん、
何も言わないで他の生徒を並ばせ直したり、注意したり、
応援したりと生徒のリーダーシップや協力が見られました。
先生はいつの間にか2人で指導し始めている、
さらには一番遅い生徒のやる気を無くさせないように先生が並走して励ます姿を見て、
この上ない感動を受けました。
(カンボジアでは負けを認識してしまうと途中で諦めてしまうことがよくあります。)
授業外では学校の様子を見学させていただきました。
農園やなまずのいけす。校内には食べられる葉っぱを植えてある。
手を洗うための簡易装置もついてある。生徒たちは自らトイレを清掃している。
学校の敷地内では自転車は押して歩く。
また、体育の先生は実は校長先生だったことに驚きました。
校長先生の学校を良くしたいという情熱も伺えることができました。
この間に、2つアドバイスとして校長先生にお伝えしたことがあります。
1つめは怪我の対応です。大きな怪我は病院へ連れて行くしかないですが、
簡単な怪我に対してのファーストエイドを考えておいたほうがいい。
アロエなら育てることもできるし、たいていの小さな怪我に対応することができる。
2つめは体育教員についてです。
現在、体育教員養成校(プノンペンにある体育教員になるための唯一の国立学校)では
毎年「運動会」を行っている。
そこの卒業生は赴任先の学校でぜひ「運動会」を行いたいけど、
学校に提案できないことがあるようです。
もしこのバイヨン中学校へ体育教員を呼ぶなら新卒の体育教員を呼んだほうがいいこと。
これら2点をアドバイスさせていただきました。
バイヨン中学校訪問では、始めから、最後まで驚きと感動の連続でした。
この学校はこのまま「運動会」に向けてアドバイスはできるものの
注意することは一切ないのではないかと本当に心が躍るようでした。
きっとすばらしい「運動会」が開催できるのではないかと感激しました。
まさに、先生生徒と一緒になって盛り上げていきたい学校に出会いました。
最後に、こんなすばらしい出会いを頂いてJSTのみなさま、
Oasisのみなさまに本当に感謝しております。ありがとうございました。
そして、この学校ができるまでは、まともに中学校へ通えない、
中学校に入学すら出来なかった子供たちが
このようなすばらしい中学校に通えるようになったことの喜びと、
バイヨン中学校の発展を心からお祈りしております。
青年海外協力隊 青少年活動 タケオ州 石崎 大
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