JSTのオリジナルスタディツアーその1-インターン企画の実践1ー

2012年2月、JSTでは例年この時期、たくさんのスタディツアーの学生さんにご訪問いただいています。2008年のツアー本格始動から3年、アンコール遺跡群とアンコールクラウ村を巡るJSTツアーの輪が少しずつ広がってきました。
のツアーの可能性をもっともっと広げるため、2011年の8月から9月にかけて、3名のJST初! 学部学生インターンを受け入れました。
ミッションは「アンコールクラウ村の魅力を発掘して、ツアーを作ること」
一ヶ月の滞在を経て、生み出されたツアーの名前は、『クラウ村喰らうツアー』
インターン生たちから生まれた、まだ荒削りだったツアーはその後 、いくつかの経験を積みながら着実に開花しています! 今日はその様子をご報告。
2011年8月にはじめてアンコールクラウ村を訪問していただいた、「フォトジャーナリスト安田菜津紀さんと行くカンボジアスタディツアー」が今年2月にもアンコールクラウ村を再訪してくださいました。
昨年のツアーの様子はこちらから
クラウ村訪問2回目の今年は、安田さんの強い希望もあり、インターン生による「喰らうツアー」を実施。昨年のツアーの時には、喰らうツアーはまだ製作段階。その途中で参加していただくことで、安田さんや参加者の方から、大切なフィードバックを頂きました。(昨年参加の皆さん、ありがとうございました!!)
その後、ツアーがどういう風に生まれ変わったのかを見てもらいたい! ということで、喰らうツアーの真髄、「村クッキング」をアンコールクラウ村の青年団が用意しました。
クラウ村には今、ガス・水道・電気といった都市設備が整っていません。
その中で、村の青年たちと一緒にカンボジアの伝統食材の一つ「プラホック(魚の塩辛のようなもの、これがなかなか激しい臭いなのです。)」を使って料理を作ることで、お腹からカンボジアを味わってもらおうというコンテンツ。
新しくクラウ村コミュニティセンター内に設置したかまどと調理場で、まずは自己紹介から。
日本人参加者の方の多くは大学生、青年団は高校・大学生が中心、同世代です。
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まずは水の確保!村で一番安全な飲み物、「ココナッツの殻割り」から始まります。
鉈のような大型ナイフでココナッツの硬い殻を割ると、なかからほんのり甘い、栄養たっぷりのココナッツジュースが出てきます。カンボジアの皆さんが割るのを見ていると、鉈を3度ほど振り下ろすだけで簡単に割れますが・・・日本人の学生さんにとっては、これが難しい。
見てください、この青年団メンバーの不安そうな顔を・・・。
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同時に調理場では、伝統料理「プラホックチョムホイ(蒸しプラホック)」の下準備が始まっています。
プラホックチョムホイの詳しい作り方はこちらに↓
日本で言うところの魚の塩辛のようなプラホックは、家庭の味を決めるとても大切な食材ですが、それだけだとかなりきついにおいがします。これに生野菜だけをつけて食べるのもカンボジアでは一般的ですが、これを隠し味にして料理をすると、臭みがコクに変わり、なんともいえない旨みが生まれます。その変化を感じ取ってもらうために、調理前のプラホックの臭いも堪能してもらいます。
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新しくできた調理台も活躍!なによりびっくりしたのは、青年グループの成長です。
初めてこのツアーを実施したときには、うまく説明ができなかったり、全ての調理の過程を自分たちでやってしまったり(日本人学生の手さばきが見ていられなかったようす・・・)と、なかなかうまくいかなかったのですが、今回はまるで3分クッキングの料理人のように、手取り足取り教えていました!
喰らうツアーを通じた、確かな成長がここに!
と感動している間に、およそ20分程度の蒸し時間でプラホックチョムホイが完成。
クラウ村コミュニティセンターで持参のお弁当と併せておいしく頂きました。
(完成後の姿を撮影する前に、食べてしまった・・・)
お腹がいっぱいになったところで、青年グループから、現在彼らが村で行っている活動について簡単にプレゼンをし、日本人参加者の皆さんとディスカッションタイム。
ユニークな発言で有名なフリースクールのチェット先生から「皆さんはなんでカンボジアに来るのですか?」という根源的な発言まで飛び出し、思わぬタイミングで日本の皆さんも考えこむ顔に。
お腹もいっぱい、頭も使った後は、子どもたちがいまか今かと待ちかねていました。
最後にツアー参加者の高校生・雁部くんから頂いた感想をご紹介します!
*****雁部健太郎くんからの感想*****
カンボジアから日本に帰ってきて10日が経ちました。
日々カンボジアでの10日間を思い返し、またカンボジアに行きたいという気持ちが強くなっています。
カンボジアで、一生忘れたくない瞬間を、いくつも経験できました。中でも僕の心に深く残っているのは、フリースクールで一緒に遊んだ子どもたちの笑顔です。
僕はクオンという男の子とずっと一緒に遊んでいました。別れる時に、僕の手帳にクオンが日本語でサインを書いてくれました。クオンに、また来るねと約束して、クオンは「けんたろう、バイバイ」と言ってくれて、バスが見えなくなるまで手を振ってくれました。
彼はもう僕のことを忘れているかもしれません。それでも、僕はクオンに会いに、またカンボジアに帰りたいです。
僕は4月から立教大学に進学します。
JSTの短期インターンに、本気で挑戦させていただきたいと思いました。
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今年のインターン企画が実施できるかどうかは、これからにかかっていますが、
昨年生まれたインターン生たちが残した小さな種が、また新しい種を生みそうな予感です。
(舞)


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