ヘルメットをかぶろう

バイク大国カンボジア。

シェムリアップの町はどこに行くのもモト(バイクのこと)が便利。

町自体が小さくて、端から端まで15分もあれば十分に走り抜けられてしまうこの町の人にとって、モトは自転車の延長線上にあります。

だからまるで自転車に乗るように、気軽にモトを操って、いろいろな旅をする。

もちろんヘルメットなんてかぶらず、家族5人で1台のバイクに乗ることも当たり前。

むしろそれこそが、カンボジアの「まち」の風景であったのです。

(JSTNews! のオンボロバイク少女たちがまさにそれを象徴しています)

 

そのモト環境に2007年から、少しずつ変化の波が。

ヘルメットの着用、3人乗り以上の禁止、古い(ボロボロ)バイクの取り締まり、そしてバイクにも免許証が必要になったこと・・・などなど

新しい道路交通法が施行され、街角に白バイポリスが立ち、ものものしい大きなサングラスでにらみを利かせるようになりました。

はじめのうちは、「へっ。ヘルメットなんて!」という風潮だった町の人々ですが、ポリスの威圧感にたえかね、ポツリポツリとヘルメットライダーが目につくように。

 

そして現在では、シェムリアップの町中でも当たり前のようにヘルメット着用が定着しています。中には、さっそうとピンクのミニメットをかぶりお父さんの背中にしがみつくガキンチョも。

 

さらに!

この6月1日から、なんとさらに取り締まりが強化されるという噂が。

というのは、今までドライバーのみが義務付けられていたヘルメットが、後ろに乗る人間にも適用されるという法律ができた、と新聞に掲載されていました。

 

私自身は、シェムリアップでもどこでも、バイクは自分で運転せず、「モトドップ」と呼ばれるバイクのタクシーに乗っています。市内ならどこでも$1以内で行けてしまうので、自分でびくびく運転するよりずっと便利だな~と。最近は事務所の近くをナワバリにしているおじいちゃんと仲良くなり、こちらのライフサイクルを分かってくれるようになってさらに快適。

 

しかし!もし私がヘルメットをしていなかったら、このおじちゃんがポリスにつかまり、罰金を払わされるのでは?と懸念をいだき、その結果、ついに買いました、マイヘルメット。

 

市内のヘルメット屋さんで$13。お店にある中では、最新で最良という店主さんの触れ込みと、原色ではない色合いに魅かれてこれにしました。

 

今まではヘルメット自体をちょっとばかにしていた私。でも、かぶってみるとその快適さにびっくり。この驚きはきっと1年ほど前のシェムリっ子たちと一緒だと確信しました。

埃が目に入らない。雨が降っても目を開けていられる。風が吹いても大丈夫。などなど、まさにカンボジア特有の問題を解決するのに、ヘルメットはなんと効果的か!

 

 

嬉しくなって颯爽とみんなに自慢し、明日からは私もヘルメッターだから、とカッコをつけた日から早1か月。「後ろの人もヘルメットをかぶらなければならない」という取締がされている気配はありません。

がーん。

 

しかし、私がこの国にきて1年と3か月。これだけの間にも確実にシェムリアップ市内の交通量は増えているように感じます。観光客を乗せた大型バスや、裕福な人たちの大型車に混じって、最近ではマーチとか小型車も目につくようになりました。町に住む、一般家庭に自動車という新しい選択肢が登場してきたともいえるかも。

ヘルメットは、拡大するシェムリアップという「まち」と、車社会から身を守る必須の要素に成長していくのかもしれません。

 

(ま)

 

 

 

 

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