バイヨン中学校 魚の授業〜その①

三井物産環境基金による活動その後_2017~18年

スースダイ!インターンの中岡です。

今回のブログでは、先週から始まったバイヨン中学校での水環境保全についての授業をレポートします!
昨年度までの3年間、バイヨン中学校では、三井物産環境基金を受諾して、様々な水環境保全活動を行ってきました。
その活動の一環として、1年目はシェムリアップ淡水魚研究所所長の佐藤さんに依頼し、魚の生態を中心としたこの水環境保全授業行ない、2年目と3年目は、前年に授業を受けた生徒代表5~6人ほどが先生になり、下の学年の生徒を対象に授業を行いました。
今年度は基金は受諾していませんが、生徒たちが環境について考えるとても良い機会となりますので、JSTカンボジア人スタッフが先生となり、自主的に授業を継続することにしたのです。
今回授業を担当するのは JSTスタッフのタウリーです。
カンボジアの普段の授業ではあまり魚について詳しく学ぶことはありません。
しかし、カンボジア人はほぼ毎日魚を食べます。その魚がどこで育ち、どのように生きているのかなんて子供達は知りません。
そこで活躍するのが、三井物産環境基金を受諾していたときにJSTが作成した『カンボジアの魚』という水環境絵本図鑑です。
この絵本図鑑には、魚の息をする原理や成長過程での魚の変化、そして環境と魚の密接な関係が書かれています。
タウリーの授業は「私たち生き物が生きていくために絶対必要なもの、3つはなんでしょう。」という問いから入ります。
それは、①酸素 ②食べ物 ③水 です。
その酸素が含まれている空気は今目の前にあります。
O2・CO2とヒトと木と魚の関係を図に表しながら、生徒に埋めていってもらい、O2が息をする上で重要で、木はCO2を吸収してO2を出すんだよ。と教えます。
実は近年カンボジアでは大規模プランテーションの開発などで森林が激減しています。
そうしたことも念頭に置いた上で、子供達に木などの自然の大切さを教えました。
またこの授業では実験も行います。
大小のコップを用意してろうそくを2本並べて火をつけます。
どちらのコップの火が先に消えるでしょうか。
子供達も考えてどちらかに手をあげます。
さて、結果はどうでしょうか。
もちろん早く消えるのは小さい方です。

O2が少ないとも火が早く消える、つまり魚やヒトも同じです。
O2を消費して生きるヒトや魚は、空気中や水中のO2の濃度によって生きやすさが変わってくるということは生徒にもうまく伝わったようです。
2回目の授業では、
動物と植物の関係について学びます。
ここでも食物連鎖のピラミッドを生徒に埋めてもらいながら授業を進めます。
もし、ピラミッドの下の方の草がなくなったら、上の方にいる鳥はどうなるでしょうか。
さらに、山自体がなくなれば餌となる草や虫は消えるし、その他の鳥などの住処も減ります。
つまり、自然は全てつながっているということが生徒にもうまく伝わったようです。
最後は水の大切さです。
皆さんは人間の体の何%が水分でできているか知っていますか?
答えは、約60%です。
もちろん子供達はこんなこと知りませんでした。30? 70?みんなで手をあげて考えていました。
残り4回の授業はどのように進んでいくのでしょうか。続報もお楽しみに!

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