1994年に始まったJSA(現JASA)のアンコール遺跡修復事業。そこで修復の技術を身に着けた技能員が、安心してこの先も遺跡修復を続けていけるよう、そしてこうして育った芽を着実に次の世代へとつなげていくために、JSTはJASAと協力して遺跡修復活動、技能員のサポートを行ってきました。
バイヨン寺院 ナーガ・シンハ彫像修復プロジェクト (2012年~2020年)
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JASAによるアンコール遺跡修復事業では「カンボジア人自らが、バイヨン寺院及びアンコール遺跡の保存修復活動を担っていく」ための国際協力を重視してきました。こうした20年間以上の修復技術者の人材養成の成果が実りつつあります。
こうした人材育成の輪がカンボジア人同士でも広がっていくために、JSTでは「カンボジア人からカンボジア人へ」の技術移転をめざし、2012年度より日本ユネスコ協会連盟と協力し、JASAの技術的な協力を受け、バイヨン寺院 ナーガ、シンハ彫像修復事業を実施しました。
(事業正式名称:『世界遺産アンコール遺跡群 石像修復プロジェクト ―バイヨン寺院 ナーガ、シンハ彫像―』(日本ユネスコ協会連盟のページに移動します))
バイヨン寺院の外回廊には、寺院を囲むように欄干がめぐらされており、この欄干にはナーガ像(ヒンドゥー圏で崇拝されてきた蛇神の像)が、また、寺院の各入口にはシンハ像(シンハはサンスクリット語でライオンを意味し、王権の象徴ともいわれています)が設置されています。これらの彫像は寺院の繁栄と守護を司る重要な存在といえ、これらの石彫像や欄干を修復・再整備することは、バイヨン寺院の景観を整備し、宗教的な価値を回復するためには重要な課題の一つとなっていました。
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修復現場の様子は過去のブログ『バイヨン~今日の修復現場より~』にてご覧いただけます!
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©︎NFUAJ/JST, JASA
JASA遺跡修復技能員への福利厚生 (2008年~2022年)
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JASAの遺跡修復技能員が安心して修復事業に携われるよう、JSTでは遺跡修復現場をご案内し、体験するオリジナルツアーを実施し、その収益金を技能員への福利厚生に活用してきました。