安心して暮らせる村を
みんなでつくる

活動拠点づくり

JSTでは、村の人々が安心して暮らすためのインフラの整備、小学校の建設などを進めきました。また、村での教育やさまざまな活動の拠点となる場としてアンコールクラウ村コミュ二ティセンター(ACC)をつくりました。
今では村の子供達が自然と集まり、村を訪れる方との交流の場や村内の情報交換の場として活用されています。

>>橋・道をつくろう
>>小学校建設・小学校への支援活動
>>アンコールクラウ村コミュニティセンターの建設
>>村の中学校の建設と運営

橋・道をつくろう

◆橋の建設

1997年当時、アンコールクラウ村を流れる川には橋がなく、雨期になると対岸へ渡ることができなくなることもありました。ある日、大雨で増水した川を泳いで渡ろうとする村人を見て、JSAの日本人駐在員が立ち上がりました。

「ここにみんなで橋をつくろう!」と。

しかし、この頃まで、カンボジアの政情は非常に不安定でした。村人による手作りの橋の建設がはじまった直後、内戦による非常事態宣言が下され、JSA日本人駐在員は全員日本に帰国。工事は中断してしまいました。

カンボジアに平和が訪れたのは数ヶ月後。直ちに工事は再開され、ついに、村の中に3つの橋が出来上がったのです。

完成した3つの橋
1997年ノル橋建設中
1997年ノル橋建設中

■スピアン・タ・ノル(ノルさんの橋)
 <クラウ村初めての橋>1997年7月着工、1998年9月完成
 JSA設計管理 小牧氏 JSA所長 成田氏 JSA工事主任 川瀬氏 
 アンコールクラウ村住民

スピアン・オートンレスグー

■スピアン・オートンレスグー(乾いた小川の橋)
 <クラウ村入口付近の橋>1999年完成
 参加者:チア・ノルとアンコールクラウ村住民  

お手伝い
お手伝い

■スピアン・オーチュラオ・クティッヒ(長い時間をかけて削られた小川の橋)
 <クラウ村中心部の橋>2000年5月完成
 参加者:JSA工事主任 梶山氏
     チア・ノル
     アンコールクラウ村住民と子どもたち

*JSAは2005年より,カンボジアの遺跡保全を行うAPSARA(アプサラ)機構との協同事業となりました。現在はJAPAN-APSARA Safeguarding Angkor(JASA)という名称で活動しています。

◆道の建設

1998年工事4km、2002年工事2km 1998年以前は、クラウ村内には、バイクや自転車がやっと通れるような道しかありませんでした。そこで、村内にもっとしっかりした道をつくろうと、チア・ノルとJSA現場作業員で、村の重鎮である棟梁サオ・サム氏、副棟梁のチン・ダオイ氏が立ち上がり、村民に呼びかけました。

村民は、ブッシュ切り担当と土運び担当に分かれ、村道予定地のブッシュを切り払い、土を掘って運び、底面幅約6m、上面幅約5mの道をつくっていきました。斜めになった道の側面は、簡単に崩れないよう、草を植えていきます。初日は20人しか村民が集まらず、これではいつ完成するかわからないと、さらに呼びかけ、翌日は150人、多い時で250人の村民が、毎日作業を行い、1ヶ月半かけて約4kmの道を完成させました。JSA棟梁サオ・サム氏、副棟梁のチン・ダオイ氏は、JSA遺跡修復作業が終わると現場に駆けつけ、1人1人の村民の毎日の作業量をチェックし、仕事量に応じて謝礼を支払いました。

完成した道

道ができたことにより、急病人が出てもすぐに町まで出ることができるなど、村の生活が目覚ましく向上しました。また、車が通れるようになったので、カンボジアで活動するNGOがアンコール・クラウ村に拠点を置くようになったり、町に住むカンボジア人家族が移住してきたり、在住外国人の週末の家ができるなど、村落内は活性化してきました。 道路わきに植えた樹木も順調に成長しています。

道路とチアさん
道路建設

小学校建設・小学校への支援活動

「村の子供たちが通うには、あまりにも小学校が遠い」

「校舎が古く、嵐によって壊れてしまった」

「教室が足りない!」

こんな村の人たちの声にこたえ、小学校の校舎建設など、小学校への支援活動をおこなってきました。

◆これまで行なってきた小学校校舎建設
  • 西バライ小子供たち
  • 後藤小学校門
  • 西バライ小

1998年 アンコールクラウ小学校 2棟7教室とトイレ
     寄付者:後藤神父

1999年 モクネアク小学校 2棟10教室
     寄付者:名古屋中ライオンズクラブ

2001年 コックチャーン小学校 1棟5教室
     寄付者:名古屋中ライオンズクラブ

2004年 コンポンクディ小学校 2棟10教室
     寄付者:名古屋中ライオンズクラブ

2010年 アンコールクラウ小学校 1棟2教室
     寄付者:NPOオアシス

2011年 スラエン小学校 1棟2教室
     寄付者:NPOオアシス

2011年 チョップ小学校 1教室
     寄付者:NPOオアシス

アンコールクラウ村コミュニティセンターの建設

アンコール・クラウ村に、村を訪れる方との交流の場として、そして地域の人々が集まり,恒常的に利用できる拠点として,JSTの活動の拠点となる「クラウ村コミュニティーセンター」を建設しました。

これからこのコミュニティーセンターを舞台としてJSTが掲げている方針は以下の3つです。

 ①村における子供たちの教育環境を充実させる
 ②村を訪れる人と、村の人々が交流する場をつくる
 ③織物や養殖など村内でできる小規模な事業を実施する

コミュニティセンター全景
コミュニティセンター全景
コミュニティセンター全体計画図

そしてこのコミュニティーセンターを基点として、村の環境や遺跡の保全などに関するレクチャーやワークショップなどを積極的に行って、村の人々と一緒に遺産を守りつつ、暮らしやすい環境を構築していきます。

コミュ二センターと子供たち
コミュ二センターと子供たち
アンコールクラウ村コミュ二センターの紹介
やまなみスクールでの授業風景

▼やまなみフリースクール

子供たちのための英語教室、日本語教室や絵画教室を行っています。

集会所

▼コミュニティーセンターの中心に位置する集会所

村の長老による仏法講座や伝統楽器講座、現代の楽器の上演、実施などを予定しています。

村の子供たちへの教育の一環として、通常の学校教育では提供できない機会を創っていきたいと考えています。

図書館

▼クラウ村図書館

村の中に図書館があるのは、おそらく初めて?!

今はゆとりのある本棚ですがすぐに本で一杯になるはず。

そして、コミュニティーセンターのあちこちで本を手にした子供たちの姿が見られるようになるでしょう

石彫ワークショップ

▼石彫のためのワークショップ

遺跡修復に関心のある村の若者や子供たちが、石彫技術を学び、日々の研鑚に励むことができる場としてつくられました。ここで育った石彫師が、遺跡修復現場で活躍する姿を早く見たいですね!

屋根付き橋

▼東屋付の橋は、コミュニティーセンター内の施設を繋ぐ立体歩道

ここを遊び場とする子供たちの元気な声も響きます。

2013年10月開校予定! 村の中学校建設と運営に向けて

 2010年、アンコールクラウ小学校2校舎増築を行った際、先生や生徒、地域住民に感想を聞いたところ、次は中学校を作ってほしいという声が多数寄せられました。調べてみると、アンコールクラウ村を含めた5つの小学校卒業生を対象とした中学校はこの地域に存在しないこと、卒業生は、8キロ以上離れたシェムリアップ市内の中学校に通っていることが分かりました。しかも、自転車がなければ通えず(経済的に自転車購入が難しい家が多数あります)、またあったとしても、雨期の豪雨の中を走らなければならなかったり、事故が多発したりと、子供たちにとって通学が困難であることも分かりました。さらに、この地域では、子供たちは家庭の重要な労働力とみなされ、小学校低学年から、田植え、牛飼い、薪拾い、姉弟のお守などの家事手伝いに従事しなければならないうえ、中学校に進学してさらに学問を身に付けるという将来の目標がないため、小学校中退者数も多数いる現実もみえてきました。

 カンボジアの未来を少しでも明るいものにするためには、特に農村地域の子供たちの教育状況を改善しなければならない、また、カンボジア農村地域の子供たちに、少しでも夢と将来への希望を持ってもらいたい・・・。さっそくJSTでは、アンコール・トム西側地域の5つの小学校卒業生を対象とした中学校の設立計画を開始しました。3ヘクタールの土地を国の教育省に寄付して学校建設が可能な用地とし、アンコール遺跡保存機構(APSARA)及びシェムリアップ市教育長と相談を進めながら、建設計画を練ってきました。2013年10月、そのうちの数教室の建物が完成する予定です。教育省から中学校教師を派遣してもらい、公立中学校として運営を進めますが、その他に、地域に根差した教育-遺跡修復、語学、観光、農業、芸術など-をカリキュラムに取り入れ、JSTも学校運営に参加したいと考えています。将来的には、高校、専門学校、大学へと続くようなヴィジョンも描いているところです。

中学校建設予定地
後藤小のこどもたち